ベンチャー投資会社が保守的な業界でテクノロジーライセンスを販売。

状況

ニューヨーク市に本拠を置くベンチャー投資会社が、キャビテーション現象を基礎とした有望な新技術の権利を持つベンチャー企業に投資しました。経歴を見ると、このベンチャー企業の開発努力はすべて地下掘削、特に掘削速度の向上に注がれてきました。技術デモンストレーションのコンセプトとバリュープロポジションは、掘削速度の向上と掘削時間・費用の削減により、石油ガスサービス会社は必ずこの技術を導入したがるだろうという仮定に基づいていました。しかし、意外にもこの技術を試したいというサービス会社は1社も現れませんでした。

我々の調査

Incupointの調査で分かったのは、掘削会社は掘削速度向上を望んでいる一方で計画通りの掘削の方がはるかに重要だということです。複数の業界にまたがる利害関係者間が存在し、12〜24か月前に承認された掘削計画がある中で、新技術を取り入れることのリスクは潜在的な利益を上回っていました。クライアントはリスク軽減戦略をいくつも提案しましたが、製品のテストに同意したサービス会社は1社もありませんでした。

我々の貢献

Incupointは調査中、掘削速度を上げるために製品をテストするという申し出を断ったサービス会社の側にも大きな問題があることを突き止めました。坑井の水平範囲を拡大する必要があったのです。掘削する水平セクションが大きいほど収益が増加し、同業他社に対する競争力が高まるため、これは非常に重要でした。Incupointは、クライアントがこの事実を反映して技術面のバリュープロポジションを変え、技術デモンストレーションを水平掘削のニーズに適合させることを提案しました。この微調整により期待していた効果が得られ、クライアントの持つテクノロジーが複数のサービス会社の中で優先リストのトップに躍り出ました。1年前に首を横に振ったまったく同じ人たちが、試験的運用を優先度の高いものとして扱い、時間・費用を割くようになったのです。サービス会社の強いニーズを軸にしてバリュープロポジションを見直すことで、クライアントは流れを掴み、テクノロジーライセンス契約に漕ぎ着けました。

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